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Laziness と Hard working
第28章 雅貴の父
なんと
相手は藤井の娘だ
君に何度も話したけど
君は
聞く耳を持たなかった
必然なんだよ
運命なんて言葉は信じない
君達は
必然で出会ったんだ
だから
杏ちゃんは君の必然なんだよ
そして
狂った歯車を戻してくれる
救世主かもしれないね
康綱
遠い空の下
見ているだろう
杏ちゃんは雅貴に出会ったよ
私達が勝手に決めた
いいなずけ
叶うと良いなぁ
お前と話していたよな
地元に帰らないといけなかった
康綱
お前と私との
儚い夢物語
そろそろ
杏ちゃん達が来る頃だ
あの日の写真を胸にしまって
種明かしといきますか
康綱
武将のような名が嫌いだと
言っていたな
私はそれでも
お前にあった名だと思っていたよ
私が
今あるのはお前の
後押しがあったからだ
全く
藤井親子には
私達、
雅貴と私も世話になってる
なんの因果かなぁ
会社はすこぶる良好だ
お前が私の父を
蟠りの無いように
説得したからだよな
今では表でも裏でも
顔が効くようになったよ
なぁ康綱
誰もが恐れる様な存在に
成りたくなかったんだよ
だから
穏やかに過ごしていたはずなんだ
雅貴が生まれるまでは
生まれてからは更に
穏やかに過ごしたかったのに
どこから道が違ったのかな?
教えてくれよ
今でも的確にアドバイスしてくれる
そうだよな?
大学で知り合った頃に
そう
私達がいちばん楽しかった
あの時代に
今は
もう話も出来ないんだから
康綱
雅貴に杏ちゃんを
お前の大切な杏ちゃんを
頂けないだろうか?
お前が生きていたなら
もしかしたら
見合いをさせてでも
杏ちゃんを頂きたいと
今はそう思うよ
雅貴は何も望まないはず
杏ちゃんさえ居てくれたら
康綱の目に
雅貴は適うかな?
笑いながら
お前と話したかったよ
最後に会えなかった事が
今でも心残りだよ