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Laziness と Hard working
第28章 雅貴の父

「はぁ〜?
今なんて言ったのかなぁ
僕は知らない話だよね?」

そうでもないぞ
お前が大学に行く前に
話したはずだ

婚約者が居るって

まぁ母親は大反対したがな
それでお前を困らせた

どんどんエスカレートして
私が見ていても
怪しくなって
お前が壊れていったんだ

気づいた時には
手遅れで
いや
見ないふりをしていたのかもしれないな

その頃に康綱が
頭を下げて来たんだ

あの話は無かった事にして欲しいと
詳しくは話さなかった
だが、私は調べたんだよ

申し訳無いね
杏ちゃん
全てを知っているんだ

康綱に話した
それでも
許婚の話を進めたかった

康綱は辛そうに
杏ちゃんの事を話してくれた

今でも忘れない
康綱が私に言った事を

“先輩どうしたら良いですか?
アイツらを殺したいほど憎い
だけど
杏は誰の子か解らないのに
産みたいと言うんです
雅貴君に杏はもう
ウゥゥッ
先輩 どうすれば
杏が幸せになれますか?
僕は杏のお嫁に行く姿を
どれだけ見たかったか
許せない!”


康綱は泣きながら
私にそう言っていたんだ

本当なら
杏ちゃんが高校を卒業したら
顔合わせをするはずだった

雅貴は
その写真を覚えているか?

そこは杏ちゃんの
家なんだよ
子供の頃に
藤井宅に行ったんだ

「確かに何処かのお宅に
遊びに連れて行ってもらった

家族で出かけた唯一の思い出だから
覚えているよ
確かに兄妹と
とても穏やかなご夫婦が

嘘だろ!
まさか?
そんな!

出来すぎだよ」

雅貴
既に出会っていたんだよ
お前と杏ちゃんは

僕にも妹がいたら
こんな可愛いかなぁ

杏ちゃんを抱きしめていたよな


私はその姿を見て
お前も笑う事があるんだと
優しく笑えるんだ

そう思ったんだ
親として情けない話だがな


「⋯」

すまなかった
今まで本当に申し訳なかった

「今更なにを!」

『雅貴さん
最後までお話を聞かないと』

「杏もう帰ろう
聞きたくない
今更話なんて」

『私は父の話を聞きたいの』

「‼
杏はお父さんのことが
知りたいんだね?
わかったよ
僕も
杏のお父さんの話は
聞きたい」

ありがとう
雅貴
杏ちゃん


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