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Laziness と Hard working
第31章 藤井家 の 人々
ただいまぁ
母さん何?
と声が聞こえる
お兄ちゃん
これに着替えて
すぐに仏間に来て
なんだよぉ
杏?なの?
やっぱりな
そうか
この兄の反応は?
もしかしたら何かを
感じていたのだろうか?
“支度が揃いました
どうぞこちらに起こしください”
と案内された部屋は
禍禍しい装飾だろうか?
装束を着た杏と杏の兄であろうか?
末に嫁であろう者が座っていた
りーん
とおりんの音が響き渡り
祝詞なのか杏が唱えて
でもその声は男の物で
僕は訳がわからなかった
突然
嫁と思われる女性?が苦しみだし
どこから声がしているかわからないが
おのれ康綱!
⋅⋅⋅⋅⋅⋅
悪しき物よ!
我が藤井に何の用だ
嫁になりすまし藤井の生業を
辞めさせたかったか!
本家の姉をどうした?
··········
まるで陰陽師の映画を見ているようだ
その女性が僕に手を差し出そうとした時
円から手を出せば
手は落ち動物の手に
嘘だろ?
兄がその手を拾い
何かの水らしきものをかけ
祝詞?呟くとその手は消える様に
小さくなる
その手から伝わる様に
女性も小さくなり身につけていた
装束がそれを包み込んだ
死んでなおその力か!
康綱よ
覚えておくが良い
未来永劫 藤井に繁栄はないのだ
杏
私を慧に
杏が何かを唱えて
慧?に移ったの?
悪しき物よ
そこに居る方は
お前が忌み嫌う呪術を得意とする
巫女様をお力に持つ方だ
杏
お呼び出ししなさい
また何かを唱えた
サラサラと音がして
杏の髪が伸び色が変わっていた
坪倉の家の者
何故ここにいる
この娘の記憶を読んだ
そうか
力添えを私にして欲しいか
僕でも分かるほど
杏の後ろ?に誰かが居る
そしてその誰かは小さくなった
包を前に
何かを唱えて
己の野望は私が今 無にしてやった
安らかに眠るが良い
更に何かを唱え
娘よ
お前にかかっている
全てを取り払ってやろう
父の願いだ
幸せに暮らせ
私がお前を護ろう
そう言うと陽炎の様に消えた
部屋の中に漂っていた
嫌な臭いが消えていた
先輩ありがとうございます
坪倉の巫女様のお力が無ければ
我が家は悪しき物に呪われたままでした