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Laziness と Hard working
第31章 藤井家 の 人々
杏は父に抱かれて
話しをしていた
杏!
自分に正直になりなさい
雅貴くんは杏にとって
大切な人なんだろう?
この家は慧に任せるから
杏は好きにしていいよ
『お父さん
寒河江に突き飛ばされた事
覚えてる?』
あぁでもあれは
獣の仕業なんだよ
私の不覚だ
『憎くて殺したいほどだった?
私は仕事の先輩が』
杏 私は知っているよ
大切な人だよね
私は獣の仕業だと解っても
やっぱり寒河江が許せなくて
殺したいほど憎くてね
『あの日ね
私お母さんに何かがあると
そう思って帰って来たんだ
物凄く嫌な予感がしたの』
お母さんの為?
それを知ったら
お母さん生きていなかったかもしれないな
『私でよかったんだよね?』
誰でも良いわけないだろう
私が気が付かなかったのが
悪かったんだよ
杏 ごめんな
ずっと言えなかった
『私も
お父さんだけ責めて
ごめんなさい
でも私も辛かったの
死んでしまいたかった』
雅貴くんは知っているんだろう
彼と居たら
杏は幸せになるよ
お父さんは信じているよ
『この家の事も
お兄ちゃんに任せて良いの?』
お母さんも慧も
知ってしまったんだ
だから杏が幸せになるなら
何も言わないよ
慧には
徐々に私と話せる様に
していくから
杏は幸せになりなさい
この家に帰ってきたら
こうして私と話しをしよう
いつでもこうやって
抱きしめてあげられる
杏 少し寝ると良いよ
私がこうして抱いていてやるから
『お父さん
本当に良いの?』
眠りなさい 杏
慧 聞こえるかな
杏を寝かせてやってくれないか
(父さん?
わかったよ)
杏はお兄さんに抱かれて
また寝てしまった
僕の前に座ったお兄さん
雅貴さん
杏を頼みます
誰よりも優しい子です
人の事しか考えない
自分は後回し
雅貴さんならわかってますよね?
たまにこうして家に返してくれたら
それでいいから
父もそう言いたいと思うので
杏を誰よりも幸せにしてやってください
兄として杏にできる事は
これしか無いのも辛いですけど
「そんな
とても嬉しいです
後は杏さん次第ですけど」