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Laziness と Hard working
第32章 穏やかに
《私ね
なんとなくわかっていた気がするんだ
杏が話せない理由》
『言えなかったんじゃないよ
言わなかったの
普通に怖いとか
思われたくなかったから』
《慧さんが好き♡
そう言ったとき
杏は珍しく怖い顔したから
無意識だったとしても
何かあるんだろうな
そう思っていたよ》
『流石♡ 麗子ちゃんだ』
ところで
麗子ちゃんはいつ出国する予定?
時間があるなら
さっきも話したけど
温泉でも海外でも
行ってこないかな
旅費は僕がだすから
『何で雅貴さんが
そんな事を言うのかな?』
ん?
気にいらないの?
もし麗子ちゃんと温泉行ってきたら
僕とも行けるから(笑)
行きたい所はあるの?
坪倉の名前使って
一見さんお断りも良いけど
《でたぁ
それは有り難いけど
私も杏も喜ばないかも
予約が取れなかったら頼むけど(笑)》
『今からじゃ難しいよね
あそこは絶対にね?』
と、スマホをだし
イキナリ電話をしだした
何か検索中みたいだね?
麗子ちゃんと行きたい所?
『ここに行きたいの』
あぁここなら取れるよ
多分ね
『行ったことあるの?』
昔ね
父達と家族で出かけたよ
あまり良い思い出が無いけど
旅館としては良い所だと思うよ
『正直ね
海外にはあまり行きたくないかも
麗子ちゃんが行きたいなら
スペインが良いなぁ』
《どうしたの?
まだ出かけるのに不安がある?》
『よくわからないけど
モヤモヤ?するんだよ
良い事か良くない事なのか
何だろうね?』
杏は不安なの?
『全てが終わった感じは
まだしないのね
あの事件は
おじ様が解決したと
そう言っていたけど
違う気がするの
八雲さんなら
わかるのかなぁ?』
まさか!
本当に終わったの?
父が圧力をかけたの?
『はっ!
秘密だった(汗)
ごめんなさい
八雲さんに口止めされていたんだ
雅貴さんは
良い気分じゃないはずって』
確かにそうだけど
杏が安全になるなら
父の力でも
坪倉の力でも
何でも借りるよ
僕は杏が安全なら
それで良いんだよ
最初は嫌だったけど
僕自身も考えていたんだよ
最悪な状態になる前に
坪倉の力を借りなければ
解決しないのかとね
だから
杏は気にしなくて
大丈夫だよ