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第11章 このはｖｓ・・・

高橋君の言う事は最もだ
伊織ちゃんや私に嫌がらせをした田淵さんが悪い
けど・・・さっきの田淵さんの泣き声を聞くと・・・
それ程、柳さんが好きなのだろうと思った
だからと言って許される事ではないけれど・・・

女子の嫌がらせが広まっていく過程を私も見に沁みて実感していた
何となく、そう。本当に何となくなのだ。
いじめられてる標的に話しかければ次は自分と思って見て見ぬフリをされてしまう

伊織ちゃんもどんなに辛かった事だろう・・・
私もその辛さがわかるから・・・
男子が声をかけてくれる事を望んだ事なんてない
ましてや色目を使って媚びたつもりなど微塵もない

好きな人がいれば尚更だっただろう
伊織ちゃんの気持ちが痛い程、わかってしまう・・・


「・・・わかった。紺野さんも谷川さんもほんとごめん。」

「柳、谷川さんには好きな人が居る」

高橋君・・・

「うん。それもわかってる」

「なら、もう谷川さんにちょっかい出すな。もちろん伊織にも」

「・・・努力する。紺野さんには手を出さないよ」

「谷川さんにもだろ？」

高橋君の眼差しがきつくなった

「・・・」

「言えよ。谷川さんにも手を出さないって！！お前がいい加減な気持ちで・・・遊び半分でしていい事なんてないんだよ！！」

「いい加減な気持ちではないけどな。ましてや遊び半分でもな。」

「どういう意味だよ？」

「そのまんまの意味だよ。確かに紺野さんを可愛いと思って声をかけた。それがいい加減な気持ちだったってお前にわかるのか？紺野さんにははっきり断られたから以後、話しかけてはいない。いじめられてるのがわかったから田淵にだって何度も言ったし、お前を通して謝った。俺にはもう話しかけられたくないと思ったから」
「谷川さんに対して遊び半分？イケメン彼氏が居るってわかってるのに？」

「ああ・・・」

「遊びで女を口説いた事なんて一度もねぇよ。まして彼氏持ちの女なんて・・・」

柳さんが俯いた