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あなたがすきでたまらない
第14章 学園祭、本番!!
このはside


「お待たせ~。って、それ借りたの?」

「ああ。重いしな。後で返しに来ないと」

私達は合流して学校へと帰る

「伊織、谷川さん半分持つよ」

高橋君の言葉に甘える
それでも学園祭の準備の量となればやっぱり多かった

「多田君、それ重くないですか?」

「押すだけだから、大丈夫。学校も近いし」

高橋君と伊織ちゃんが前を歩いているので、私は多田君と後ろを歩く

「そうですか」

「うん」

「・・・」

「・・・」

何を話していいかわからず黙ってしまう

「・・・え~と・・・師範は元気?」

「げ、元気ですよ」

「・・・そか」

「た、多田君は?げ、元気ですか?」

「お、俺?まぁ・・・見ての通り元気かな?」

二人ともぎこちないのは仕方ないよね
それでも、私は何とか話をしようと会話を探した

「い、伊織ちゃんと、高橋君は・・・仲良しですね」

「だな。・・・谷川さんは?」

「私?」

「師範と・・・仲良し?」

「だ、だと思います・・・」

やだ・・・訊かれただけなのに恥ずかしくて俯いてしまう

「そっか~。羨ましいな・・・」

「羨ましい?」

「何でもない。ただ、いいな。って思っただけ」

多田君?

「あ、あの・・・」

「ん?」

「わ、私では・・・その・・・話せないかもですけど・・・け、啓介さんに話してみてはいかがでしょうか?」

「師範に?」

何となく・・・本当に何となくなんだけど、多田君が何かを考えてる様だったから・・・

「はい・・・その・・・悩み事とか・・・」

「悩み事かぁ・・・そうだな!!今度、師範に訊いてみようかな?」

多田君が明るく応えてくれたので少しホッとした

「なになに?何の話?」

伊織ちゃんが笑って振り返る

「お前らが仲いいなって、話だよ」

伊織ちゃんの顔が赤くなる

「学校、着いたぞ」

授業はまだ終わっていない
クラスの皆の元へ急いだ


「お疲れ~」

「ただいま!!お!!飾りもいい感じだな!!」

高橋君の言う通り、作業もはかどっている様だった
教室の雰囲気は一変し、学園祭へと彩られていく
机や椅子はティッシュの花で飾られ、黒板には大きくメニューが書かれていた

(Welcome♡浴衣喫茶)

センスの良い看板や飾り付けに皆のセンスがキラリと光る
いつもとは違う雰囲気にドキドキした
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