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あなたがすきでたまらない
第14章 学園祭、本番!!
「きゃ~。シュンと写真撮っちゃたよ~。やったね!!」

「私も~。でもちょっと残念だったね。コスプレするのは私達だけなんて・・・シュンのコスプレ見たかった~」

隣の教室から出て来た生徒が燥ぎながら俺達の前を通り過ぎた

「先輩、聞こえました?」

「ああ」

「後で行くつもり・・・」

「だけど?」

「ですよね」

信はやれやれと言った感じ
だけど、俺が行くのも当然、当たり前のように理解ってる

「お待たせしました~。どうぞ~。二名様ですね!!」

俺達の番が来て教室に入る

「いらっ・・・先輩!!」

紺野さんが笑顔で出迎えてくれた

「来てくれたんですね!!ちょっと待ってて下さい。今、このは呼んで来ます!!」

紺野さんが仕切られた裏へと回った

「ちょっと!!紺野さん!!あの人誰!!めちゃくちゃイケメンじゃん!!知り合いなの?」

声が大きい。狭い教室だ。聞こえてる

「師範!!信先輩!!」

優も俺達が来た事が嬉しそうに駆け寄ってくる

「え?多田君の知り合い?」

それを見ていた他の女子生徒もざわざわし始めた

「おい~。ちゃんと接客しろよ」

それを見ていた高橋君が口を挟む

「高橋君。浴衣姿、似合ってる」

「・・・どうも」

少し恥ずかしそうに会釈した

「え?高橋君とも知り合いなの!!」

女子の騒ぎと興奮が冷めやらないと言った感じ
その中でも田淵さんだけは俺に対して気まずそうで・・・
でも、少しだけペコリと頭を下げた様な気がする。気のせいかな?
近くに座っていたお客までもが噂を始めた

「ヤバ!!ホントにカッコ良いんですけど!!」

「ね~。近くの席でラッキーだよね!!」

俺は帽子を更に深く被って出来るだけ顔を隠した


「い、い、いっらっしゃい・・・ませ」

聞き慣れた愛しい声に顔を上げた

・・・このは?だよな?
俺がこのはを間違える訳なんてないんだけど
俺の動きは一瞬止まってしまった
余りにも可愛すぎて・・・

結婚式で見たあの時を思い出す
髪は束ねられ化粧まで・・・
浴衣姿はこの間見たけど、教室と言う雰囲気の中で見るこのはは特別に輝いていて・・・
恥ずかしそうな顔がまた・・・
俺の心をくすぐった

「やべぇ・・・めちゃくちゃ可愛い子が居るじゃん」

今度は客席の男共が騒ぎ出した

「え?谷川さんの知り合い?」

女子も俺達を凝視した
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