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あなたがすきでたまらない
第14章 学園祭、本番!!
「このはがそう言ったの?」

「いいえ。でもそうかなぁ?って・・・さっきから先輩の話で裏がすごい事になってますよ。このはが質問攻めに合ってます」

夏らしいBGMが流れているクラスの中とは言え、小さな声で紺野さんと話した

「休憩は何時から?」

「13時です」

俺は頷き、紺野さんは接客へと戻って行った

「優!!」

「なんですか?」

俺達の会話を黙って聞いていた信は接客中に通りかかった優を呼び止めた

「優の休憩は何時?」

「午前の部は13時です」

「んじゃ、案内してよ」

「はい!!もちろんです!!」

優はウキウキと帰って行ったが・・・

「優も約束あったんじゃねぇの?」

「ラインで一人だって言ってました」

「あそ。」

「それに先輩は従兄さんに案内してもらうんでしょ?」

信はチラリと周りを見渡した
こちらを見ながらコソコソと話をする女性
俺に声をかけるかどうかの相談をしている様だった

「ああ。従兄に案内してもらう」

聞こえてるといいんだけど・・・
いちいち断るのもめんどくさいし・・・


「・・・で?次はどこ行くんですか?」

「隣」

「ですよね~。先輩なら何を着ても似合うと思います」

信は本当の目的を知ってるクセに・・・わざとそんな言い方をする

「信もコスプレしたらいいんじゃね?」

「考えときます。って・・・先輩!!」

何?
信が言うが早いか・・・いや、遅かった
俺の足に冷たいウーロン茶がかかっている

「す、すいません!!」

浴衣を着たメガネの女の子があたふたと動揺していた
運ぶ筈だった物だろう
躓いてこぼして・・・俺のジーパンと靴にかかっている


「大丈夫?」

「あ、あの・・・ほ、本当にごめんなさい!!ど、どうしよう・・・」

「気にしないで。怪我はない?」

「・・・先輩・・・その子・・・」

信が何かを言いかけるも、周りはその騒動に騒ぎ出した


「ちょっと・・・恥ずかしいよね」

クスクス笑う女達

「あの服、高いんじゃねぇの?」

冷やかす男達

「あ、あの・・・本当に・・・すいませ・・・」

「浴衣、濡れてない?」

「は、はい」

真っ赤になって今にも泣きそうなメガネの女の子

「大丈夫ですか?」

騒ぎに気がついた紺野さんと高橋君がパタパタと駆け付ける

「これで拭きましょう」

このはだった

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