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あなたがすきでたまらない
第14章 学園祭、本番!!
「大丈夫ですか?怪我はないですか?日野さん」

床に零れたウーロン茶を拭きながら、俺と同じセリフを言って心配するこのはが誇らしかった

「た、谷川さん・・・」

「俺は大丈夫だから。新しいウーロン茶、用意して。高橋君」

俺も的確に指示を出す

「はい。優が新しいの用意してます」

「さすがだね。委員長」

俺は屈んで床を懸命に拭いているこのはに話しかけた
もちろん小声で・・・

「浴衣、汚れるから・・・」

「で、でも・・・」

「いいから」

さり気なく皆からは見えないのを良い事にそっとこのはの手に触れる
ポポポなこのははコクリと頷き立ち上がる


「どうしました?何事ですか?」

先生が騒ぎを聞きつけ駆け寄ってきた

「お茶をこぼしただけですよ」

「で、でも・・・服にかかって・・・」

「服は渇くから大丈夫です。それにもう拭いたので」

俺はニッコリと笑った

「で、でも・・・」

「大丈夫です。よくある事じゃないですか。お茶をこぼす位。先生が動揺してしまえば生徒も余計に動揺してしまいますよ。」

「あ、あの・・・本当に・・・すいませ・・・」

震えて、泣きそうな・・・日野さん。だったか?

「全然、気にする事ない」

「た、高い服だったんじゃ・・・」

聞こえてたのか?
全く余計な冷やかしなんてする奴の気がしれない

「浴衣が濡れなくて良かったよ。わざとじゃないんだから。怪我がなくて良かったですね。ね?先生?」

「そ、そう・・・ですね」

言い方を変えた。
先生なら生徒を気遣わずにはいられないだろうから

「それにしても、良いチームワークですね!!駆け寄って心配してくれる生徒や、雑巾を持って走ってくる生徒。それに代えの物を用意出来てお客さんの席に運んで・・・一瞬でそんな機転が利くなんて・・・良いクラスですよ!!」

俺は大袈裟に褒めた

「あ、ありがとうございます・・・」

「こんな失敗も勉強ですよ。今日が終わる頃には笑い話になってるといいんだけど。な?」

俺は日野さんを見て笑った
日野さんは真っ赤になって恥ずかしそうに頷く
ギャラリーは俺達を見て唖然と言った感じだったけど・・・
気にしない

「ご馳走様でした」

俺は立ち上がりついでに信に目配せし教室を後にした

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