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あなたがすきでたまらない
第14章 学園祭、本番!!
「「は、はい!!」」

「なら、絶対に。もう二度としないであげて欲しい。田淵さん。わかるよね?」

田淵さんはゆっくりと、もう一度頷いた
二人には言ってなかったのだろうか?
不思議そうな顔をしていたけれど・・・

優しいこのはだ
田淵さんと、横井さんが最近一緒にいない事を心配していた
女子高生の人間関係なんて理解できる訳がない
俺はこのはみたいに優しくないから、いじめてた奴らの事なんてどうでもよかったけれど・・・
このはの夫としては許せなくても、元刑事として許す事は出来るかもな
このはの学校生活が楽しければそれでいい

「じゃあ、早く戻った方がいい。忙しそうだし」

三人はペコリとお辞儀をしてパタパタと走って行った


「・・・ずいぶん、あっさりでしたね~。先輩にしては」

「どういう意味?」

「もっと、怒り狂うんじゃないかと・・・キツイお灸をすえるんじゃないかとドキドキしてましたよ」

田渕さんには似た様な事をしたかもだけど・・・言わないでおく

「まぁ、先輩に優しくされて許して貰いたくなったのかな?」

「日野さんはいじめてない感じだけど?」

「でも、日野さんと前に見たさっきの子は仲が良さそうでしたよ。友達があんな場面で助けられて悪い事したって・・・本当に思って・・・今までした事を許して貰いたくなったんじゃないですか?」

「さすが・・・刑事さんは考えてる事が違うね」

「冷やかさないで下さいよ」

「でも・・・このはに浴衣着せて貰ったって言ってたし。俺が許すよりも先に・・・このはが許したような気がする。で、このはだけじゃなく、俺にも許して貰いたかった。ってとこ?」

「さすが~。先輩の刑事の読みはまだまだ現役ですね」

「冷やかさないで下さいよ」

信を真似て返事をした

誰が何をして、誰と誰が仲がいいとか悪いとか・・・高校生の青春にはつきものだよな
このはにした事は許せない
だけど、このはにとってなくてはならない経験であったのかもしれない
このはが人を許せる優しい人間だと改めて思う事が出来た
それは俺には無いものだし、このはを尊敬する
このはがお人好し過ぎてこれから先も泣く事があったとしても、俺が守ればいい
ますます、このはを好きになった

経験は幼いこのはを大きく成長させてくれる大切なものだと俺は思う
大人への階段を上るこのはを俺は大切に見守りたい

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