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第15章 啓介さんの誕生日パーティー

「いらっしゃい！！このはちゃん！！あら？制服なのね？」

「そうなんです。学園祭の片付けがあってですね・・・さっきまで皆と公園に居たんです」

「そうだったの～？邪魔して悪かったかしら？」

「いいえ！！とんでもありません」

ユキさんに電話をかけると「近くなら今からいらっしゃいよ！！実家に居るのよ」と言われたのでお邪魔する事にしたんだ

「学園祭、どうだった？楽しかった？」

ユキさんは誉クンを抱っこしながら訊ねてくれる

「はい！！大変でしたけど・・・楽しかったです！！」

「啓介も行ったんでしょ？」

「はい。信さんと一緒に・・・」

「信も？」

「ええ。啓介さんはすごい人気でしたし、信さんは食堂の方と仲良しでした」

「まぁ！！食堂のおばちゃ・・・おば様はまだ働いているのね！！懐かしいわ～」

「ユキさんもご存じですか？」

「もちろん知ってるわよ。当時、信が自慢してたもの「年上の女が俺を放っておかないんだ」って・・・アホ丸出しよね」

ユキさん・・・
おばちゃんは言い直したのに、アホ丸出しは平気なんですね・・・

「このはちゃんは啓介とどこかまわったの？」

「・・・ええ・・・まぁ・・・」

「このはちゃん？」

「お、お化け屋敷に・・・啓介さんに嫌だって言ったのに・・・」

「そうなの？私が怒ってあげるわ」

「いえ・・・私が怒ってしまったので・・・」

「このはちゃんが怒るの？見たかったわ～。それで啓介はどうだった？」

ユキさんは何てことない会話なのにすごく楽しそうに聞いてくれて・・・

「私の機嫌がなおらないので、アイスを半分こしてくれました」

「啓介が！！よっぽど、このはちゃんを怒らせた事を反省したんでしょうね」

「そうでしょうか？」

「そうよ～。啓介にとって甘い物は単なる罰ゲームよ」

そ、そんなにダメだったんですね・・・
私の前ではパンケーキとかも食べてくれたから・・・
でも、啓介さんがそうまでして・・・って思うと嬉しくなってしまうな

「小さい頃から甘いものが嫌いだったんですか？」

「・・・原因は・・・そうね・・・あれしか思いつかないのだけど・・・」

「ユキさん？」

「このはちゃんにはどこまで話してたかしら？私が啓介に過保護だった時期の話はしたわよね？」

私はコクリと頷いた

「その話は覚えてるかしら？」

「もちろんです」