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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第11章 最年少ロリちゃん
裾にフリルの付いた白いワンピース。胸の所には赤いリボンが付いていて、それに合わせたのか、フリルの靴下に赤い靴。ほどかれた髪は三つ編みにしていたせいで、巻いたようにフワフワ。そこに赤いリボンのついたカチューシャをしている。
「こちらのバッグもお似合いだと思うんですが……」
店員が、斜め掛けに出来る丸くて赤いバッグを差し出す。上はガマグチのようだが、周りのフリルに隠れて、俺でも可愛いと思った。
「このバッグは王国から仕入れた物で、120円なんですが……」
「いいよ。全部でいくら?」
前に万札を出して驚かれたから、来る前に千円札や大量の小銭に両替済み。
「えっと。全部で……。377円になりますが……」
俺は400円を出した。377円は、俺の世界なら37,700円。
元の服は麻袋に入れてくれたが、釣りはいらないから少し預かってもらうことにした。持って歩くのは面倒だ。
店を出て改めて少女を見ると、立派なお嬢様。
「そう言えば、名前は? いくつ?」
「エマ……。8歳。お兄ちゃん。どうして、服買ってくれたの?」
考えてみると、俺にもよく解らない。
この世界で金持ちを自慢したいなら、高級クラブにでも行って散財すればいい。そんな気もないが。
「どうして追い掛けられてたの?」
「…………」
人通りが多いせいなのか、エマは話してくれない。
「何か食べに行こうか」
俺は通行人に個室がある飲食店を聞き、そこへ向かった。
部屋はそう広くないが、この世界にしては高級な造り。
また料理名が解らないから、コースをいっぺんに運んでもらうように頼んだ。
「食べよう」
エマは最初戸惑っていたが、食べ始めると早い。
「いつも、20分で食べないといけないから……」
とにかく、俺はエマから話を聞く。
5歳の時に両親が亡くなり、それからはお屋敷の使用人をしているが、待遇は悪いよう。給料は無く、その代わりに寝場所と食事を提供されるだけ。
そこの主人によく体を触られていて、今日は隙を見て逃げたが、エマもどうしたらいいか解らないらしい。
「お兄ちゃん。エマ、10歳に見える?」
「んー。ちょっとムリかなぁ。何で?」
溜息をつくエマに訊いた。