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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第24章  ショータイム (後編)


 「ドアの外で、お待ちしております」
 黒服が部屋を出て行くと、サクラを着替えさせた。
「今の人が、支配人」
 支配人が了承したなら、絶対に出られる。
 見た時は興奮したが、サクラだってショータイムを嫌っているようだ。
「サクラちゃん。ここに来た時の、荷物、全部ある?」
「うん。ある。支配人は、ロッカーの合鍵も、使えるから」
 先に着替えていた俺は、サクラの髪を整えてあげる。
「行くよ? この店に、お金借りたりしてないよね?」
「うん」
「じゃあ、行こう」
 サクラと手をつなぎ、支配人に案内されて裏口から出た。


 サクラの案内で繁華街へ戻ると、あの店の呼び込みが数人の男と立ち話をしている。
 出来るだけサクラを隠すようにして、何とか通り抜けた。
 看板を見ながら歩いていると、ロリちゃんの店がある。
 呼び込みに働きたいと話して、中へ入った。
 案内されたのは、事務所。
 途中で見えた店内は、ピンクだらけの装飾だった。
「お売りになるんですか?」
「違います。ただ、ここで、働きたいだけです」
「それなら、今日からでも」
 支配人らしき男が、笑顔でサクラを見ている。
「時給は、十五円からで、指名料の十円は全額。売り上げの二割も、加算されます」
「あのぉ……。ドレスは……」
「更衣室にあるので、自由に着てください。料金は無料ですが、洗濯代として、月に二十円かかります」
 俺がいるせいか、丁寧な言葉遣い。
「ショータイムとか、ありませんよね?」
「数ヶ月に一度、歌姫のショーはありますが?」
 支配人が、不思議そうに言う。
「問題、ありません」
「でしたら、この書類を、お願いします」
 出されたのは、履歴書のような物とペン。サクラはそこに、色々と書き込み始めた。
 「あそこの娘さんですか。お父様とは、何度か酒場でお会いした事がありますよ。ここへは、来ませんが」
 よく解らないが、好感触らしい。
「今から、働きますか?」
「はい」
「俺が指名します。普通に、客として」
 商談成立といったところだろか。俺は店内に案内され、サクラは着替えに行った。
 ボックス席に案内された俺は、サクラの為に一番高いボトルを頼んでおく。それでも、三百円。
 後は、フルーツの大。これは百円だ。


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