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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第24章 ショータイム (後編)
黒服が作って行った、水割りを呑みながら待つ。
少しして、ロリちゃんが来た。
「初めまして。アキです」
取り敢えず、前に座ってもらう。アキには悪いが、この店の事を訊くのに丁度いい。サクラも、最初は誰かいた方が楽だろう。
「アキちゃんは、いくつ?」
「十三歳です。よろしくお願いします」
「好きな物、何でも頼んで」
食事のメニューを渡した。
「飲み物、頂きます」
「他にも、頼んでいいよ」
「そうですか。じゃあ……」
メニューを見てから黒服を呼び、アキがいくつか食事も頼む。
「いくつから、ここにいるの?」
「十歳からです」
十三歳なら、ベテランの方だ。
「この店の、個室って、いくらするの?」
「三時間で、五百円です。部屋は、カタログで選べるようになってます」
アキと乾杯してから、水割りを呑む。
半分に減ると、アキがすぐに水割りを作ってくれる。流石ベテラン。
サクラは元の店だって、数ヶ月の経験だ。だがここなら、安心して元の世界へ帰れる。
「お兄ちゃんっ」
黒服に連れられて来たサクラは、フワフワのピンクのワンピース。
俺が手招きして、隣に座らせた。
「お知り合いなんですね。アキです。よろしく」
アキが優しくサクラに微笑む。
「あっ、サクラです。今日から、だから、よろしく、お願いします」
テーブルにぶつかりそうな程、サクラはアキに頭を下げている。
「前は、どこかにいたの?」
サクラが元の店の名前を言うと、アキは顔をしかめた。
「あそこは、女の子から評判悪いもん。ここに来て、正解」
やはりそうだったのか。いくら給料が良いとしても、ショータイムや覗き部屋など酷すぎる。
「サクラちゃんも、好きな物頼んで?」
メニューを渡すと食事はいくつか決め、飲み物はアキと同じでいいと言う。
呼んだ黒服に、食事の追加とデカンタのジュースを頼んだ。
「でもサクラ、もうお腹いっぱい……」
「指名の時は、色々頼まないと。ねっ、アキちゃん」
「そうよ。お客様が、そう言ってくれるなら、高い物を頼まなくちゃ」
アキが、俺の方を見て笑う。
さっきまで覗かれていたから、この普通の状態が気楽に思える。
「部屋、行く?」
サクラの耳元で言った。
「手配しましょうか」