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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第28章 現実
「オジャマしまーす」
今、あの由麻菜が、俺の部屋にいる。
「はぁー。やっと外せるぅー」
由麻菜はリラックスしたように、帽子と眼鏡を外した。
「へぇー。ここがぁ、お兄ちゃんの部屋ぁ?」
「狭いし、汚くて、ゴメンね……」
「そんなことないよぉー。寮はもっと狭いもん」
由麻菜は都内出身だが、仕事の為に寮に入っているのも知っている。
「どうして、来たの?」
ジュースをグラスに注いでから出した。
「迷惑ぅ? だったら、帰るけどぉ……」
「そ、そんな事無いよ。嬉しいよ」
「良かったぁー」
由麻菜はニッコリと笑ってから、ジュースを飲んだ。
「だってぇ。助けてくれたでしょ? ステージから落ちた時、凄く怖かったのぉー」
たまたま抽選に当たり、たまたま俺の前に落ちてきただけ。それなのに、こんな幸せを味わえるなんて。
「お兄ちゃんはぁ、何のお仕事してるのぉ?」
「普通の、会社員だよ」
「ふーん」
それ以上会話は続かなかったが、由麻菜は興味深げに部屋を見回していた。
「あっ、由麻菜のポスターだぁ。コレ、ちょっと前のだねぇ?」
「うん。加入した時から、ファンだから」
「ありがとうー」
抱き着かれて、固まってしまう。
人気アイドルで、時期センター候補と名高い由麻菜。センターになって欲しいが、そうじゃなくても好きなのは変わらない。
「シャワーは軽く浴びて来たけどぉ、お風呂入りたいなぁ。ダメぇ?」
「ふ、風呂? 狭いけど、良かったら……」
すぐに風呂の用意をしに行った。
洗ってはあるが、再度洗い直す。湯張りのボタンを押し、部屋へ戻った。
「凄ぉい。由麻菜の写真だらけぇー」
声が聞こえてきたのは、寝室から。
天井や壁に、由麻菜1人やグループでのポスターを貼っていた。
「そんなにぃ、由麻菜のコトが好きなんだぁ。嬉しいっ。ねぇお兄ちゃん。ちょっとかがんでぇ?」
「えっ? こう?」
由麻菜から、唇へのキス。
まだ13歳だ。軽いものだと思っているのかもしれないが、俺には股間に響く。
風呂から沸かし終了の音楽。
「あっ、お風呂、沸いたぁ? ねぇ。お兄ちゃんのぉ、大き目のシャツ貸してぇ?」
タンスから出したシャツを受け取ると、由麻菜は風呂へ行ってしまった。