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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第28章 現実
全裸になり、お互いの熱を感じながら抱きしめ合う。
俺の腕にスッポリと収まってしまう、小さな体。そんな愛しい由麻菜を、現実に抱きしめているなんて。
この世界のロリちゃんは、仕事として当たり前のようにセックするコばかり。だが由麻菜は、本当に俺の事を愛してくれている。
いつか離れていくだろう。だが今は、先の事を考えたくなかった。
「お兄、ちゃんっ、ちょっと、待ってぇ」
「どうしたの? 嫌?」
「違うのぉ。由麻菜ぁ、番組で踊った後、急いで来たからぁ。シャワー、浴びたい」
少しホッとして、由麻菜を浴室へ行かせる。女のコなら、気になるだろう。
その間に俺は腰にバスタオルを巻き、ソファーへ座った。
メニューを見ると、ゲムジュースという文字が目に入る。聞いた事があるのはこれくらいだと思い、それをピッチャーで頼んだ。後は一番高いウイスキーのボトルとフルーツの盛り合わせ。
ラブホに、そんなメニューがあると知らなかった。多分複数の呑み屋と契約し、客を連れて来た女のコにバックがあるのだろう。呑み屋よりは安いが、ボトルは100円。
由麻菜がゆっくりとシャワーを浴びている間、ウイスキーをロックで呑んでいた。
「お兄ちゃんっ」
やっとシャワーを出て、バスタオルを巻いた由麻菜が隣に座ってくる。
「ドライヤーどこぉ?」
「この世界に、そういう物は無いんだ」
「えーっ。髪ぃ、ビショビショなのにぃ」
俺にとっては、そんな姿を見られるのも嬉しい。憧れのアイドルではなく、本当に恋人になったのを実感出来る。
「そのうち乾くよ。はい、どうぞ」
グラスに注いだゲムジュースを、由麻菜の前に置いた。
「なぁにぃ? これぇ」
「美味しいよ。飲んでごらん?」
「うん」
ジュースを飲んだ由麻菜は、ニッコリとした表情。
「甘くて酸っぱくてぇ、美味しいー」
それを飲み干すと、由麻菜はジッと俺を見つめた。
「お兄ちゃん……。これからはぁ、由麻菜って呼んでぇ。ちゃん付けだと、お兄ちゃんが遠いみたいだからぁ……」
頷いてからグラスを空け、由麻菜をベッドへと誘う。
今は、俺だけの由麻菜だ。そう思うと、下半身が疼いてくる。
由麻菜をベッドに寝かせ、すぐに覆いかぶさった。