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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第28章 現実
「由麻、菜……?」
呼んでみても、由麻菜は泣きじゃくっているだけ。
嬉しくて、いきなりヤりすぎたのだろうか。それしか思いつかない。
「由麻菜、ゴメン。俺、嬉しすぎて、急いじゃって……。本当にゴメン。ゆっくり、話でもしようか……」
俺より好きな男が出来て離れて行くなら、止める気は無かった。だが、こんな風にして別れるのは嫌だ。
「由麻菜……」
布団の上から、頭を撫でた。
泣きじゃくる声が徐々に小さくなり、聞えなくなる。
「お兄ちゃんっ!」
布団をめくった由麻菜が、突然起き上がった。
「あっ、えっ……」
こっちを向き、哀しそうな表情。
由麻菜にそんな顔をさせたのは、俺のせいだ。
「ゴメン。えっ!?」
布団を脚で蹴飛ばし、由麻菜が抱き着いてきた。
「お兄ちゃんのぉ、顔も、なんにもぉ、見えないからぁ、イヤなのぉ……」
バックでの挿入が気に入らなかったのか。
確かに、お互いの顔は見えない。両手で抱きしめる事も出来ないセックス。
「ゴメンナサイはぁ、由麻菜の方だからぁ。でもね。顔を見ながらぁ、したいのぉ……」
俺は現実世界の13歳のコを、この世界のロリちゃん達と同じように扱ってしまった。
「ゴメン。由麻菜」
首を振ってから、俺の胸に顔を着けてくる。
本当に、愛おしいと感じた。
大切にしなければいけないと思ってはいたが、いつの間にか、いい気になっていたのかもしれない。
由麻菜から告白され、アイドルグループを電撃卒業してまで、俺の所へ来てくれたからって……。
「由麻菜。何か、食べに行こうか。名前はよく解んないけど、美味しい物、たくさんあるから」
「うんっ!」
涙は残っていたが、顔を上げた笑顔にホッとした。
機嫌を取る為じゃない。現実世界へ戻れば、外でデートなんて出来ないはず。だがここでなら、誰も由麻菜の事を知らない。普通に、デートが出来る。
着替えて宿屋を出ると、またあの呑み屋街。この向こう側へ行けば、飲食店もあるだろう。
「ねぇ、お兄ちゃん。あのお店にぃ、入ってみたぁい」
「え、ええっ!?」
由麻菜が指差したのは、行きに声を掛けられた店。
勿論呑み屋だがロリちゃん専門店のようで、店構えが可愛い。
「あそこは……」