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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第28章 現実
「似合ってて、可愛いよ」
同じ店で100円の大きめのバックを買い、今まで着ていた服を入れて由麻菜が持つ。
俺が持つと言ったが、バッグも可愛いから持ちたいと言ったのは彼女。
飲み屋街へ出ると、呼び込みの男が次々と声を掛けてくる。
「王族のお兄さん。その子売るんなら、ウチで高く買うよ」
そんな言葉は無視して、路地を曲がった。
ラブホ代わりの宿屋街に行くには、どうしても飲み屋街を通る事になる。
「お兄ちゃん。買うってなあにぃ?」
「さあね。気にしなくていいよ。それより、好きな宿屋選んで?」
「うんっ。えーっとぉ……」
通りを歩き、由麻菜が気に入った可愛い宿屋に決めた。
取ったのは、一番高い部屋。可愛い彼女には、それでも足りないくらいだ。
「ねぇ、お兄ちゃん。またアレがあるねぇ……」
由麻菜が、奥の壁の拘束器具を指差す。
「それよりさ、由麻菜……」
買ったばかりのワンピースを脱がせると、下着のままの由麻菜が、拘束器具の方へ走って行く。
「ゆっ、由麻菜っ」
慌てて俺も近くへ行った。
「クサリがいっぱーい。ねぇ。何に使うのぉ? あっ、棚にもなんかあるぅー」
由麻菜が手にしたのは、この世界でのバイブ。親指より少し大きいが、木製の粗雑なもの。
「キノコぉ?」
「ここにあるものは、全部セックスに使うものだよ……」
諦めて教えた。そうじゃないと、この先も「なあに?」攻撃が止まらないだろう。
「えーっ! どうやって使うのぉ? クサリとかぁ、キノコなんてぇ。由麻菜にやってみてぇ」
「鎖を? 平気なの?」
「うんっ! 知りたいもん」
暫く、由麻菜を見つめてしまった。
「ねぇ、お兄ちゃん。やりたいー」
言い出したが最後、使うまで言い続けるだろう。
「じゃあ……。全部脱いで?」
「えっ? うん……」
嫌ではなく、恥ずかしいだけのようだ。照れながらも、由麻菜は残りの下着を脱いでいく。
「これでいいのぉ?」
全裸になった由麻菜に、壁に寄り掛かるように言った。
「こう?」
「ああ。本当に、いいの?」
最後の確認をしたが、由麻菜は笑顔でコクリと頷く。
由麻菜の腕を持ち、ゆっくりと手首を鎖へ繋いでいった。