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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第28章 現実
付き合い出してから2年。
由麻菜といると、時の流れを早く感じる。
結局彼女は芸能界へ戻り、タレントとして仕事を続ける事にした。初めは好きな人について訊かれる事もあったが、「お兄ちゃんのコトはぁ、内緒ぉ」と言い続け、他の芸能人のスキャンダルがいくつもあったりすると、由麻菜の恋人について関心が薄れていく。
人気メンバーが徐々に卒業し始め、エンジェルの人気も全盛期よりは衰退し始めている。
由麻菜は可愛さと若さも手伝い、色々なバラエティー番組に出演していた。
俺は相変わらずの会社員。だが小さい役職に就き、少しだが給料も増えた。由麻菜がオフの前の日は有休を取り、RPGのような世界へ通ってのセックス。同じ時間に戻れるんだから、次の日ゆっくりと休めるように。
彼女はまだ15歳だから現実世界でのセックスは、初めての時以来していない。部屋でイチャイチャしたり、盛り上がるとキスまで。2人でそう決めていた。
身長は少しだけ伸びたが、小柄のは変わらない。女性の身長が伸びる時期なのに、由麻菜は150センチも無いまま。おっぱいは、少し膨らんだ程度。脇やオマタの毛は生えだしたが、由麻菜が気にして永久脱毛してしまった。俺が、無い方が好きだからと察して。
「はあ……」
「お兄ちゃん? どうしたのぉ?」
由麻菜の家の前。交際を認めてもらう為以前にも来たが、立派な一軒家でいかにも金持ちそうな庭もある。
「ねぇ、早くぅ」
見上げられ、足を進めた。
一番上等なスーツを着て、手土産も持っている。マナーもネットで調べ、頭に叩き込んでいる。準備は万端だと思ったが、いざとなるとヘコみそうだ。
「あ、ああ。行こうか……」
庭を歩いていると、敵陣の主将に突っ込む歩兵隊のような気分。
「いらしゃい。中へどうぞ?」
由麻菜の母親が笑顔で出迎えてくれて、少しだけホッとした。
「あの、これ、つまらないもの、ですが……」
手土産は玄関で渡すのがマナー。勿論、ネットで調べた情報だが。一所懸命選んだ有名店の菓子だが、「つまらない物」と言うのも同じ。
広いリビングへ通されると、由麻菜の父親がダイニングの椅子に座っていた。
「お、お久しぶりです……」