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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第35章 麻菜ちゃん怒る
麻菜だって、普通の女の子だ。十歳も年下だが、恋人という関係。
女の子だって、したい時があるのかもしれない。
何となくモヤモヤした気持ちを抱えながらも、俺は普段通りの夜を過ごした。
翌朝連絡しても、また既読スルー。
隣の家にいるのに、麻菜が遠い気がしたのは初めてだ。
今日は土曜日。
俺は昼前に、渋谷へ向かった。麻菜へのプレゼントを買うついでに、CDも見たい。
駅前でどこから行こうか考えていると、後ろから強めにぶつかられた。
「ごめんなさぁい……」
後ろを見ると、女の子が尻もちをついている。
「大丈夫?」
手を差し出し、彼女を立たせた。
「ごめんなさぁい。人混みに、慣れてなくて……」
化粧はしているが、高校生くらいに見える。どこか田舎からきたのだろうか。それにしては、服装は渋谷に合っていた。
長い髪を編み込んでまとめ、両耳には大き目のピアス。体のラインが出るミニのワンピースだから、胸が大きいのも解る。
立たせる時にチラリと下着が見えたが、それは勿論黙っておいた。
「あのぉ。お詫びにお茶してくれませんか? 渋谷の事、教えてください」
こういった、キャッチセールスがあるのは知っている。そんなものは断る勇気もあるし、連絡先を教えたりしない。
俺も、麻菜が気に入る物を売っている店について困っていた。
駅のインフォメーションで地図を貰い、二人でファミレスに入る。
「何を、しに来たの?」
「えっとぉ。服とか、アクセサリーが見たくてぇ」
この子が気に入る物では、麻菜には大人っぽすぎるだろう。
「だったら、このビルがいいんじゃないかな。いろんな店が入ってるし」
「私、地図苦手なんですぅ。近くまで、連れてってくれませんかぁ?」
近くまでと言われても、スクランブル交差点まで出れば見える大きくて有名なビル。
「お願いしますぅ」
そこまで頼まれると、嫌とは言えない。
麻菜が気に入る物だったら、原宿の方が良かったかもしれない。そう思いながら、彼女と一緒にファミレスを出た。