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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第36章 オシオキ?
その夜麻菜からメールはあったが、わざと既読スルー。
それも、この前の仕返しに近いオシオキだ。
無視したせいで、麻菜からは何度もメールが送られてくる。それでも我慢して、既読スルーを続け、その晩は眠った。
翌日は一時限目からの講義。早めに家を出たせいで、登校する麻菜と会えないまま。バイトもあり、家に戻れるのは23時近くだ。隣とは言え、五年生の麻菜が出歩く時間じゃない。
バイトの後に確認すると、麻菜からのメールが10件以上入っていたが、時間も遅いからまた既読スルーするしかなかった。
そのまま家に戻ると、リビングにメモ。父親は三日間の急な出張で、母親はまた夜勤だと書いてある。
夕飯は、バイト先でまかないを食べたから問題無し。明日の朝食なら、買い置きのパンかカップ麺を食べればいいし。
二階へ上がり、自室のドアを開ける。
俺はそのまま固まってしまった。
「麻菜?」
「ん……。お兄……ちゃん……」
部屋の中央に出した机に俯せ寝ていた麻菜が、目を擦りながら何とか顔を上げる。
「何やってんだ? こんな時間に……」
「だって……。もう、麻菜の事、嫌い?」
か細い声で訊かれ、部屋に入ってドアを閉めた。
「え?」
既読スルーしたのが、そんなにショックだとは考えていなかった。自分もやられた時に、ショックだったのに。
「両親は知ってるのか? こんな時間まで出歩いて」
「お母さんは、仕事で、明日の昼まで帰れないって……」
麻菜の父親は、何年も海外出張が続いている。
「ねぇ。麻菜の事、嫌い?」
「そんな事ないよ。たまたま忙しくて……」
「お兄ちゃん!」
立ち上がった麻菜が、抱き着いて来た。
俺は麻菜に、酷い事をしてしまったんだ。セックスに慣れているとはいえ、まだ五年生。不安になって当たり前だろう。
「麻菜。ごめん。好きだよ」
「お兄、ちゃん……」
泣き出す麻菜をベッドに座らせ、強く抱きしめた。
小柄で細い体を、改めて実感する。
「麻菜……」
体を離し、ぷっくりとした唇にキスをした。軽く開いた隙間から舌を入れ、お互いに絡め合う。
「はぁ……。ふぅっ……」
愛おしい麻菜の、甘い吐息。
唇を離すと、そのままベッドへ押し倒した。
「お兄ちゃん。好き……」