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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第43章 04 城下街
俺はまた、金属製のバックルのベルトをしている。
「これは城へ献上されたものと同じでして、20円もするんですよ」
それを聞き、店主に100円玉を渡した。
「釣りはいいから、包んでくれよ」
「はい。かしこまりました」
店主は、いそいそとブドウを紙で包み渡してくる。
一房二千円するブドウなんて、本当にいいもの何だろう。そう思いながら、少女に渡した。
「じゃあ」
俺は繁華街を探して歩き出す。
気が付くと、少女が後ろをついてきていた。
「どうしたの?」
「あの……。ありがとう。どこの城下街から来たの?」
ここも城下街。王族の顔は知れ渡っているんだろうかと思い、また“トウキョー”と言った。
「トウキョー……?」
「知らないよね。凄く遠いから。じゃあ」
歩き出したが、少女はまたトコトコと着いてくる。
「ここから先は、危ないよ?」
俺が着いたのは繁華街の入り口。そのコは、どう見てもロリちゃん。
「お腹が、空いてるの……」
そう言われても、俺は食事が出来る店を知らない。まさかロリちゃんの店に連れて行くわけにもいかないだろう。
RPGでの酒場のような看板を見つけ、取り敢えずそこへ連れて行った。
「いらっしゃいませー。ラビィーナの酒場へようこそ」
カウンターの中にいたのは、30代に見えるバニーガール。
スタイル抜群で美人だが、俺の好みじゃない。
「ここって、食事出来ますか? このコが、お腹が空いたって」
「あらぁ。お酒はダメな年だけど、何か作るわよ?」
礼を言ってカウンター席へ座った。少女は届かないせいで、俺が持ち上げて座らせる。
「クゥーオならすぐよ? お兄さん、お飲み物は?」
俺は水割りを頼み、少女にはガバクジュース。クゥーオが出てくると、ピラフのようなものだった。
少女がフードをとって、クゥーオを食べ始める。
ラビーナさんはテーブル席の客と話していた。
「名前は?」
「レイナ」
「家は、この街だよね?」
訊くと、レイナが視線を落とす。
「うん。喧嘩して、出てきたの」