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悠一郎の独り言
第7章 2017年11月16日(木)22:01
今日も昨日と同じように珈琲とカップケーキを出してくれました。
今日も沙羅さんの手作りお菓子が食べられるなんて思っていなかったので舞い上がってしまいます。
明日は何かを買ってから来ようと、楽しみになります。
それから少し話をして絵を描き始めました。
今日は描くことに集中しないように心がけて、会話を楽しみました。
やはり変ですね。
沙羅さんとなら会話が弾むのです。
もちろん、他の方よりは下手な会話です。
ですが私にしては上出来なのです。
それでも楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。
あと30分程したら沙羅さんと別れなくてはなりません。
それが嫌で、それが気になって、筆が止まります
このまま、2時間だけのつきあで終わってしまうのでしょうか?
最初に書きましたが、もう冬はそこまでです。
そうなると、その2時間もなくなるということなのです。
だからと言ってどうしたらいいのでしょうか?
分かりません。
こおいう時に恋愛経験が乏しいとどうしたらいいのか分からないですね。

「明日は…雨が降りそうですね…」

ぽつりと話す沙羅さんの言葉に初めてきがつきました。
冬どころか、雨が降れば会えないということに。
明日は、夕方から雨模様です。
少し早まるかもしれないということと、気温がぐっと下がると天気予報で言っていました。

「絵は…描けない…ですね…」

ついつい言葉が沈んでしまいました。
沙羅さんも少しはそう思ってくれていてくれたらいいなぁと儚い夢を抱いてしまいます。

「悠一郎さんは雨の時はどうしているんですか?描くのはお休みですか?」

「え…っと…。趣味として描いているので…描かない方が多いですね…沙羅さんはどうですか?」

「私はお店で描きますね。他にすることないので」

描くことが好きなんだなと思いました。
だから、こんな明るい絵になるのだと改めて思ったんです。
その時、ちょうど携帯が鳴り、彼女は私に断りを入れて電話に出ました。

「どうしたん?……そう、公園だよ……え~…そうなん?……うん……それ、めっちゃ大変じゃん……分かった……すぐに帰るね」

電話で話す沙羅さんは砕けた話し方で、かわいいと思ってしまいます。



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