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化粧彫り
第1章 牡丹
物心がついた頃から母と一緒にお風呂に入った記憶はない。
着替えをしている姿を見たことがあるが、胸にあんな桜は咲いていなかった。
でも、今、母の右の胸には薄桃色の桜の花びらが一面に描かれている。

鎖骨から乳房、腹、腰まで美しい桜が咲き誇っている…



母の行為はいつまでも続いている。

すすり泣くような声で父に甘えている。
“ねぇ…貴方の所為でこんな身体になったのよ…
もっと欲しいわ…
お願い…もっとちょうだい…”


低く冷たい声がそれに応える。
“お前が望んだんじゃねぇか…
ヤツの気持ちが離れそうになった時…

結局、結果は一緒だったがな…”


“…どうでもいいわ…ちょうだい…もっとめちゃめちゃにして…”
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