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化粧彫り
第2章 初秋
幸いにも私は文芸部だったし修学旅行も高校2年生の春に終えていました。
進学校だったため高校3年生になると体育の授業もなくなり
私は誰にも肌を見られることなく過ごしていた。

それでも何かのきっかけで見られてしまうかもしれない恐怖から
私は極端に憶病な娘になり、できるだけ目立たないようにしていた。

身体が熱くならないように外に出ることも控えたため肌は抜けるように白くなり
母譲りの愁いを含む整った顔立ちは日がたつにつれて人目を引くようになっていた。


否応なしに何人もの男子から声をかけられていた…

でも、私はそれをすべて断り続けていた。



高校生活最後の体育大会。
運動の苦手な私はメインとなる競争競技などに加わるべきこともない。
代わりに二人三脚パン食い競争なるものに出ることになってしまった。



相手の名前は香月譲…

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