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喝采
第1章 ミサ曲ロ短調
「じゃあ、始めるよ。まず、ソリストを紹介しようか」

 斉賀は下手側から順にソリストを紹介してゆく。「ミサ曲ロ短調」のソリストは五人。ソプラノが二人いるのが特徴だ。

「ソプラノ、高橋百合子ちゃんに三島美香ちゃん。テノール、谷田部拓人くん。バス、治田貴史くん」

 ソプラノは二人とも可愛らしい印象の、ベテランの女性。バスはいかにも低音パートらしい大柄で髭を伸ばした、熊のような男性だった。古楽をメインに歌っている歌手なのか、三人とも初めて組む相手だった。

 谷田部は今紹介されたソリストの中に、アルトがいないことに気づいた。例の雫石だ。ゲネラルプローベに間に合わないなど、プロとしてあり得ない。雫石に対する谷田部の第一印象は、最悪だった。

「そうそう、アルトの玲音はちょっと遅れるって連絡があったから。来たら改めて紹介するよ。他のみんなは何度も組んでるけど、谷田部っちは初めてだよね?」
「……はい」

 ――谷田部っち?

 あまりにもフランクな呼び名に、谷田部は驚きを隠せない。服といい、口調といい斉賀はかなりの変わり者のようだった。今まで斉賀に抱いていた、著名な古楽指揮者というお堅い印象が音をたてて崩れ去った。
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