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埋み火
第2章 熾し火
 霧子の狭い膣内をコンドームごしとはいえ堪能した賢治はまた絶頂が近いことを悟った。

 こんな甘美な時間は何年ぶりだろう。

「ああ」と首を振り、いっそうきつく賢治は霧子を抱きしめながら腰を振った。


「霧ちゃん、可愛い。ほんまに可愛い。俺、前から好きやったけど、今夜すっかり惚れてまったよ」


 なんとなくセックスもスポーツのようにとらえていた賢治だから、こうして長年想っていた華奢な女を我がものにするのは最初は全く新しい競技に挑戦するような感覚だった。

ところが、抱いてみれば「他の男にはやりたくない」というどろどろした情念が沸いてきた。

 おかしい、自分の中で今までにないものが燃えている。

 だが、それをしっかり燃焼させないことには「男」として生きていけない気がする。

 今は「父親」じゃなく「男」に戻りたいのだ、と賢治は強く感じた。


「よし。霧ちゃん、もうイくよ」

「あぁン、ン……」

「こう見えてな、腰は強いんや。うんと気持ちよくしたげるよ」


 霧子の両腿をがっちり抱えると、賢治は今までよりも激しく腰を使いだした。

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