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埋み火
第3章 跳ね火
 今日も霧子は色っぽい唇と蕩けた視線で博之を誘う。

 まだ少しグロスのつやが残る唇を夢中で博之は吸った。


「ふぅ、ン……ひろ、好き……」

「うん、うん……」


 半月の間に「今度は霧子の欲しい言葉を言ってやろう」と思ったものの、いざ腕の中に収めてみれば正直な気持ちを口に出すのがはばかられる。

 元の性格もだが、そういう柔軟さを失う年齢になったのかもしれない。

「俺も好きだ」というのをストレートに口に出さずに気持ちを霧子に伝えるのにはどうすればいいのか、必死に考えてきたがさっぱり答えは出ない。

 読書を通勤時の趣味にしてきたが、漱石の言葉を使えるような応用力もない。


「ああ、もう蕩けそうだ。今日は明かり、つけたままな」

「ええっ」

「言っただろ、浮気したんだからお仕置きしてやるって。明るいとこでお前の体、じっくり見てやることにした」


 いつもは片手でたどたどしく……だが、今日は合わせ部分にフリルがついた白いブラウスのボタンを両手でさっさとはずしてゆく。


「明るいのがいいの?」

「満足したら消すよ。とりあえずこのまま」


 二か月半ぶりに会ったわけだが、何か霧子のからだは前とちょっとだけ違うなと見ていて思った。


「胸、大きくなってないか?」

「うん……ちょっとだけ」


 春先に見た記憶があるブラウスだが、胸元のボタンホールが少し左右に引っ張られて布地がはちきれそうになっている。


「太ったのかなあ」

「いや、そうも見えないから、成長したんだろ」

「この年で?」


 脱がせてみればそんな太ったふうでもなく、変わらずほどよいボリュームの体つきだ。

 ただ胸の谷間が前より深くなっているかもしれない。

 薄い水色のブラジャーは白と銀の糸を使った繊細な刺繍とレースに彩られ、丸みをおびた豊かな胸と対象的にさわやかで清楚な色香を湛えている。


「やだわ、ブラ全部買い替えになったらものすごくお金がかかるもん」

「高いのか」

「ピンキリよ。やっぱりね、高いのは全然違うの。でも、おっぱいには興味ないんでしょ?」

「興味がないこともないぞ。ただ俺はきりの尻のほうが好きなの」
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