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埋み火
第3章 跳ね火
 霧子の頬や耳たぶに口づけながら博之は手を背に回し、前よりかは少し早くホックをはずす。

 ベッドに腰掛けたまま、舌を絡めあいながらその大きくなったという乳房の先端を愛撫していると霧子が切なげな息を漏らし始めた。


(おっぱい、課長だかが揉んでデカくなったのかな。いや、そんなすぐには育たないか)


 もともと胸は博之にとってほどよい豊満さだったが、会うたびにどんどん霧子の体つきはまろやかで色っぽくなっている。

 女としての魅力が博之に抱かれるたびに増しているのがわかる。


(いい女だ。これで、もっと頻繁に会えるようになったら、きりはどうなるんだろう)


 そんなことになったら、霧子の変化を見る前に妻にばれて破滅するだろうとすぐに悟った。

 たまにしか会えないから、ばれずに済んでいるのだ。

 霧子を自分などが独占してもいいのかとよく迷っていたが、奪われてわかった。

 距離や金銭的な問題などハンディを多く抱えてはいるが、他の男にはやはり触れられたくない。

 顔も知らないが、その女好きの課長の胸で霧子が甘えたり喘いでいるところを想像しただけでこの半月ばかりは気が狂いそうになった。

 夜中までしつこく何度も抱かれたと聞いて「俺でも一日に二度でやめて帰るのに」というよくわからない嫉妬で身をよじらせた。

 霧子はもう二人きりでは会わないと決めたそうだが、職場の関係上、接触することもあるだろう。

 霧子に昔から目をつけていたというし、恋患いを起こした課長が霧子につきまとう可能性だってじゅうぶんにある。

 家庭におさまっておとなしくしていた四十男が恋に狂うと大変なのは、自分でよく知っている。

 それだけの魅力を持った女が、霧子なのだ。

 おそらく若い男も魅了するだろうが、自分のような年代の既に枯れたはずの男が遥か昔に消した火を再度引っ張り出して燃やしてしまうような何かを持った女だ。





 設計を生業としている博之は、会うといつも霧子の顔や首筋を指でまんべんなく撫でる。

 それがまるで3Dのモデリング作業のようだと霧子は笑う。

 前回、盆前に会ったときとほぼ変わらないが、前より引き締まって美しくなった顎のラインを発見すると、「これは俺だけが知っている霧子の変化だ」とくすぐったいような誇らしいような気分になる。
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