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埋み火
第1章 忍び火
(この前の、博之がイった後にアソコがヒクヒクしたの、もしかして私もイったのかしら。今日もそうなるかなぁ)

 よく言われるような「体が浮く、跳ねる」「頭が真っ白になる」体験を霧子は今までしたことがない。

 していたとしてもそれがはたしてオーガズムだったのかもよくわかっていない。

 博之とのセックスが今までにない恍惚感と幸福感を与えてくれることはわかっていても、まだ体がじゅうぶんに開発されていない自覚がある。

 博之も霧子が絶頂に達していないまま自分だけが射精するのは申し訳ないからと前戯を丹念にするが、霧子にしてみればその気持ちだけで十分だったし、逆に女慣れしておらず手つきがぎこちないほうが気楽だった。

 ルーティンワークのような愛撫でも決して感じないわけではなく、既にしっかりと入口まで熱く潤んでいるのを気付かれてしまった恥ずかしさと気持ちよさで少しずつ、頭の芯からぼうっとしてきた。
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