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埋み火
第1章 忍び火
「あーあ、今日もビチョビチョだ」


 割れ目を下着ごしに執拗に撫でていた博之が意地悪そうに言う。


「清楚な顔して、下はめちゃくちゃエロいぞ」

「もう!」

「いいだろ、褒めてるんだよ」


 体を起こすと博之はベルトを外し始めた。

 その間はどうにも、いわゆる「マグロ」みたいでいやだが、男が服を脱いでいる間はどう待っていればいいのかが霧子はわからない。

 自分でスカートを脱いでおけばいいのだろうかとも思ったが黙って見ていることにした。


 チノパンを脱ぐと博之はいつものようにボクサーパンツを履いていたが、それも下ろすと元気に上を向いた赤黒い肉塊が現われた。


(もうすぐ、あれが私の中に入る)


 自分はどうしたんだろう。

 こんなに男が欲しくなるなんておかしいといつも思う。

 離婚してから、それまで眠っていた性欲が目覚めたかのように生理が近づいたり博之と少し淫猥なチャットをしているだけで下着の中が濡れてしまうようになった。

 博之が「お前としたくて困る」とこぼすのを普段そっけなくあしらうが、そのあとトイレで下着をおろすと糸を引くほど愛液が垂れていることも頻繁にある。

 そんな話は作りもの……男向けの漫画や小説の中だけのことだと思っていた。


 チュールスカートの両サイドに手をかけられたので、霧子はそれに協力するように腰を浮かす。

 白いオーガンジーと一緒に薄ピンクのパンティーもひざ下まで滑り落ちてゆく。

 またそれらの服をサイドテーブルに置くと再び博之は霧子の上に覆いかぶさり、くちづける。

 もう出方をうかがうようなことはせず、乳房を優しく揉みながら存分に柔らかい唇を吸い舌をからめてくるので、霧子もそれに応じ続けた。
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