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埋み火
第2章 熾し火
 霧子は何も趣向を凝らさず、含んで口内を蠕動させているだけだが、賢治にとっては十分らしい。

 博之のためであれば、顎が疲れるだけ裏筋や鈴口を舐めたり喉の奥まで深く飲み込んでやるのだが、今日の霧子は全く何も能動的に動けなかった。

 賢治が気に入らないとかではなく、欲しくならず気持ちに火がつかない。

 それに、少し賢治の汗のにおいが気になった。

 不愉快とまではいかないものの、昼間から外を歩いていたのだし自分も含めてセックスの前にシャワーを浴びればよかったかと思う。

 博之も汗かきではあったが、全く気にしたことがなかったのはどうしてだろう。




「だめや、もうイきそう」

「んっ!」


 霧子は驚き、反射的に後ろに頭をさげて口を離そうとしたので、賢治はその後頭部を押さえつけうめきながら強引に精を放った。

 口の中でのたうちまわって暴れ、白濁した液を吐き出す肉の塊が何か知らない生き物のようで恐ろしくてこらえきれず、霧子は声にならない悲鳴をあげた。


「ん、んーッ!」

「ふぅっ! うっ、んっ……あぁ、気持ちええ……」
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