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第14章 てい付気に恋のこ 章61第
「………だったらっ…花も植えなきゃいいじゃないですかっ…!」
再び叫び始めた桜に、俺は顔を上げて至近距離で見つめた。
瞳に滲む涙。
息が上がっているのか、肩は未だ上下している。
「言える訳ないとか言っておいて“この恋に気付いて” なんてっ…そんな乙女みたいな花植えてっ……」
桜の言う通りかもしれない。
結局俺は、
黙って見守ることも出来なかったし、
俺を選べという事も出来なかった。
でも……
本当に俺だけが責められなきゃいけねぇのか。
「感情に正直でいろって、店長が言ったんじゃないですかっ……!」
「桜…」
「キスしてきたくせに謝ったりっ…優しくしたと思ったら樹と付き合えって言ったりっ…」
ひたすらに俯きながら不満を言い続ける桜に、同じように不満が募る。
「結局、店長が中途半端な態度を取るからっ…私は…っ」
「『私は』…なんだよ…」
堪えきれずに、俺は桜のアゴを掴んで顔上げさせると、鋭く桜の事を見つめた。