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第14章 てい付気に恋のこ 章61第



桜の瞳からハラリと涙が落ちた。


そして、その唇をゆっくりと開く。




「他の人とっ……付き合えとか言わないでほしいっ……」



「……付き合うな」




和明なんかよりも



樹なんかよりも



俺といた方が幸せに決まってる。






「…っ…子ども扱い…しないで…っ」



「だからしてねぇよ。お前がそう思ってるだけだ」




子ども相手に



こんな気持ち抱くわけねぇだろ。





「あとは」




……今更なことしか要求してこねぇな。





唇を見つめながら、俺は顔を桜に近付ける。




「好きって……っ」



「──────……」



「…好きって言ってっ……」



「好きだ───────」






何度も伝えそうになって、何度も抑え込んだその言葉は、いとも簡単に体から漏れ出た。



その途端、さらに想いが溢れて出て────





「っ……キスしたあとにっ…悪かったとかっ…言わな──」




耐えきれずに、




俺は桜の唇を塞いだ。



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