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第14章 てい付気に恋のこ 章61第
え。
扉の鈴の音を合図に、ハッとした。
「「──────!?」」
桜が寄りかかっていた扉が開いて、桜の体が後ろに倒れていく。
唇と身体が離れて……
マズいっ……
全く想定していなかった事態に、俺は目を見開いて、倒れる桜を支えようと腕を伸ばす。
桜も俺の手を掴もうとしているけれど間に合わない。
観念したように、桜がギュッと目を閉じた。
「桜!」
そう俺が叫んだのと同時に、「おっと…!?」と男の声が聞こえて、俺は桜の背後を見た。
「大丈夫ですか…?」
扉を開けたと思われるその男が、後ろに倒れ込んだ桜の両脇を支える。
「大丈夫か桜っ…!」
顔を見上げたまま何も言わない桜に俺も慌てて声を掛けると、「あっ…」と桜がようやく声を上げた。