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いつも隣に
第2章 春

「私、今年の春からこのアパートに住んでる、高宮皐月(タカミヤサツキ)と言います。」
「私も今年の春からこのアパートに住んでる、東城海(トウジョウウミ)と言います。部屋も隣同士みたいですね、よろしくお願いします。」
部屋が隣同士と聞くと、彼女の顔がパーッと明るくなり「よろしくねー!」と抱き付いてきた。
私よりもかなり身長が低く、私は中学・高校で一気に身長が伸び170cmもある。
この身長が私の一番のコンプレックス。
私も彼女みたいに小柄なら良かったのに。
そう無いものねだりをよく考えては我にかえる。
「じゃ、私も着替えてお化粧直して掃除しとかないとね。」
そう彼女はニッコリ笑って言った。
先程までの涙はどこへいったのだろうか。
でも、この笑顔懐かしくも見える。
すぐに抱き付いてくる所も、明るい笑顔も、彼女を見てると啓を思い出す。
「じゃ、また夜にね。」
そう言い彼女は笑顔で手を振り隣の部屋へ入っていった。

