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いつも隣に
第2章 春

まぁ、当たり前か…。
中学まで何もかも私と一緒だった啓が、いきなり私の隣から姿を消したのだから。
私の家に毎日のように上がりこんでいた程の仲だったため、母や妹にもたぶん見抜かれていただろう。
「うん…分かってる。」
「私もね、昨日仕事帰りに偶然啓くんのお母さんに会って話を聞いたのよ。」
「そう…。」
母は私の声のトーンから感情を読みとったのか、それ以降啓の話はしなかった。
私は母との電話を切り、買い物をすませると再びアパートへと足を向けた。
啓が私と同じ大学にいるなんて。
私は嬉しい気持ちよりも、啓に会えなかった3年間の穴がものすごく怖かった。

