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いつも隣に
第2章 春


「海ちゃん…。」


彼女は目に涙を溜めながら抱き付いてきた。


「海ちゃん優しいね。私ね、海ちゃんと初めて会った時すごく嬉しかったんだ。泣いてる私の傍に座って優しく背中擦ってくれたでしょ?あれで私ホッとして心の底から涙を流せたんだ。」


「私は別に…。」


「ううん!海ちゃんがいなかったら私たぶん今頃彼の所まで行って、やり直してくれるまでずっと彼の部屋に留まって帰らないでいたと思う。」





そ、それは…ある意味すごいかも。
でも、それくらい彼の事が好きだったって事だよね。
彼女は自分に正直で嘘がつけないとても素直な人なんだろうな…。




「でもね、私のそういう行動ちょっと行き過ぎだって事自分でも分かってるんだ。だから、海ちゃんがあの時本当にいてくれて良かった。私が行き過ぎた行動しないようにしてくれたのは海ちゃんのおかげなんだよ。」



彼女は私に抱きついたまま顔を上げニッコリ笑った。
その笑顔は少女のように可愛らしく、目尻からは溜まった涙が流れ落ちていた。


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