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いつも隣に
第2章 春

私は彼女の頬に触れその涙を優しく指でふき取った。
「海ちゃんが彼氏だったらなぁ。」
「え?」
ふと言われたその言葉は学生時代同性によく言われた言葉だった。
身長が伸びてからは余計言われるようになり、異性からは女と思われていたのかどうかよく分からなかった。
「海ちゃんって彼氏とか好きな人いないの?」
「……んー、どうかな?」
私は言葉を濁した。
好きな人といっても、たぶん私の片想いなんだろうけど。啓はどう思ってるか分からないし。
「ちょっとー、私も話したんだから海ちゃんもちゃんと話してよ。」
「ぁ、あぁ…そうだね。」
彼女は頬を膨らませ私の体を揺すりだす。
まるで小さな少女が駄々をこねているようだ。

