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いつも隣に
第3章 再会



いきなり背後でドサッ!と物音がし振り返ると、そこには皐月が男性にぶつかり倒れていた。



「皐月、大丈夫?」


「フルート!!壊れてないよね?大丈夫だよね?」



皐月は自分の事よりもフルートの心配をしていた。
地面の上でフルートケースを開けるとフルートをチェックしはじめた。




「皐月、今はフルートよりも相手にちゃんと謝りな。」


「分かってるけど、フルート壊れたら修理代が…。」




皐月は今にも泣き出しそうな顔でフルートを見ている。
私は軽く息を吐き出すと立ち上がり、皐月の代わりに謝る。





「すみませんでした。そっちは怪我とかしてないですか?」


「あぁ、大丈夫です。こちらこそすみません。」


「あのフルート、あの子にとってすごく大切な物なんです。だから自分よりもフルートの心配ばかりして。あの、本当にすみませんでした。」


「いえ、こっちは全然。そうだったんですね、本当に大切な物なんですね。」





皐月がぶつかった男性はとても優しい人だった。
そして身長も高く、黒髪に眼鏡。
なんか皐月がこっちを振り返ったら大変な事になりそうだ。


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