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いつも隣に
第3章 再会

すると、その男性は皐月に近寄り手を差しのべた。
「あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなっ……!」
ぶつかった男性にフルートへの怒りをぶつけようと振り返ると、男性の顔を見るなり皐月の怒りの顔は一瞬で乙女の顔に早変わりした。
「そのフルート大切な物なんですよね?大丈夫でしたか?」
「ぁ…え?あぁ、はい!」
「あぁ、良かった。あなたも怪我とかしてないですか?」
「はい。それより、私の不注意でぶつかってしまって本当にすみませんでした。」
皐月は差しのべられた男性の手をとると立ち上がり、少しよろけた。
「あっ、すみません。」
「本当に大丈夫?」
「はい。あの…もし良かったらなんですが、今度お礼にご飯でも奢らせてもらえないですか?」
さすが皐月、お見事。
それよりフルートが無事で良かった。

