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いつも隣に
第3章 再会

それからというもの、皐月は男性の連絡先をゲットしその日は1日中気分は絶好調だった。
「海ちゃーん!」
練習室でピアノを弾いていると、部屋を開け入ってくるなり私に抱き付く皐月。
今日はずっと笑顔だ。
私はピアノから一度手を下ろし、皐月の話を聞いた。
「どうしたの?」
「これからね、秀太くんに会いに行こうと思うんだけど一緒に来てくれないかな?」
「ご飯に行くの?」
「ううん、ご飯はまた今度ゆっくりって話たから。今日はもう1回だけ秀太くんの顔がどうしても見たくて。ね!はい、行こーう!」
「え!?ちょっ…!」
私はいきなり手を引っ張られ、慌てて荷物とピアノの譜面台に置いてあった楽譜を取った。
皐月はエレベーターの中で鏡を出し髪型やメイクをなおしていた。
「皐月、その人って学部はどこなの?」
「えっとね、児童学部って言ってた。」
へぇ、児童学部かぁ。
お母さんと同じ職業も考えてはいたけど。
大学に入る前は音楽学部か児童学部かで悩んではいたが、私は結局音楽を選んだ。

