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いつも隣に
第3章 再会

音楽棟から出た私達は児童学部へと足を進めた。
「秀太くんいるかな。」
学部の入口でまだかまだかと待つ皐月。
本当にその人に恋してるんだなとよく分かる。
すると、待ちに待った皐月の相手が階段から降りてくるなり皐月に気付き手を振る。
それを見て皐月も名前を呼び手を振り返す。
「秀太、早いよ。」
「お前が寝てるからだろ。」
その後ろからもう一人駆け足で走り降りてくる。
身長は高いが女の子のように可愛い顔。
茶髪に少し癖毛のついた柔らかそうな髪。
か、可愛い。
「誰……。」
「……ぇ?」
隣に目をやると皐月の背後にドス黒いオーラが湧き出ていた。
いきりあの時の公園の光景がフラッシュバックしてきた。
「皐月、あれ男性だからね。」
「知ってる…。知ってるけど男性でも私より…いや、私並みに可愛い子は許せないの!」
今にも目の前の男性2人に突っかかって行きそうな迫力で皐月は前に足を進めるが、それをなんとか阻止しようとする私に止められている状態だ。

