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いつも隣に
第3章 再会


「ねぇ、秀太くんその人誰?」


皐月は顔を引きつらせながら笑顔を作る。
間近で見る皐月の表情に恐怖を感じた。


そして私は、この後彼の口から衝撃的な名前を聞く事となる。




「あぁ、紹介するね。こいつは俺と同じ学部の石垣啓(イシガキケイ)。」


「よろしくね。」






石垣……啓…。





私が昔から知ってる、あの啓?
何かあればすぐに泣き出して、周りの男の子達からはいつも女の子とからかわれてたあの啓なの?


皐月を止めていた両腕が力が抜けたように落ち、肩にかけていた鞄は床へと一気に落ちていった。





「海ちゃん?!ちょっと大丈夫?」





私の両腕から解放された皐月は、床に落ちた私の鞄と楽譜を拾いながら彼を見つめ呆然と立ち尽くしている私を見てどこか心配そうに声をかけてくるが、一瞬何かに気付いたように表情をかえる。




「あのさ、良かったらなんだけどこれから一緒にご飯いかない?」


「はい!是非是非!」




皐月は私の鞄と楽譜を持ち、満面の笑みで返事をする。
その2人の会話は私の耳に全く入ってこなかった。


そして彼もまた私を見ては呆然と立ち尽くしていた。


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