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いつも隣に
第1章 プロローグ


「海ちゃん!久しぶりー!」


たまたま啓も近くにいたのか、私を見付けると同時に抱き付いてくる。
小学生の頃よりもほんの少しだけ身長が伸び、私と同じ高さになっていた。



「ずっと会いたかったし、ずっと話したかったんだよ。」



抱き付いたまま眉を下げ目に涙を溜め、今にも泣きそうな顔でこちらを見つめてくる。




か、可愛い…。




幼い頃から啓と一緒にいるが、啓は本当に可愛くて守ってあげたくなる。
まるで子犬のように見つめてくる純粋なクリッとした丸い瞳には、いつも敵わない。




「私もずっと啓と…」

「啓くん!」




廊下を走ってくる女性達。





「啓くん、私達また一緒のクラスだよ。」


「え?ほんとに?!やったー!!」





啓の腕が私から放れ、さっきまで寂しそうだった表情はいつの間にか太陽の様に明るい笑顔に戻っていた。


私は何も言わず自分の決められたクラスへと足を進める。






『私も啓と話したかった、啓に会いたかった』
『私も啓と同じ気持ちだよ』
『啓とずっと一緒にいたかった』





啓への想い、いっぱい溢れだしてくるのをグッとのみ込む。


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