この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
「ところで、教師になるためのネックが子供だと聞いたが、それがクリアーできたら教師になる気はあるか?」
三輪田先生は、友也に向ける優しい眼差しではなく、真剣な眼差しで私と向き合っていた。
それが伝わった私は背筋を伸ばして答える。
「はい。立ちたいです…。桜木先生が歩んでいた道を歩みたい…もちろん、簡単な事じゃない事は分かってます。働いたこともない私に務まるのか不安もあります。だけど…それ以上に教師になって、桜木先生のなし遂げられなかった夢を実現したい…そう思います。」
三輪田先生は身体を傾け、テーブルの上で手を組んで顎を乗せた。
じっと私を見つめる視線に全てを見抜かれている気にさえなる。
これが校長にまで上り詰めた人の視線。
「全て桜木先生の為か…」
嘘偽りのない思いを口にする。
「…はい…。桜木先生が亡くなって、一番辛い時に桜木先生が示してくれた私の道なんです。彼は私が教壇に立つのを誰よりも願っていた…動機が不純と言われようと…私は立ちたい。」