この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
「誰も不純だなんて思わないさ…動機は人それぞれだ。初めから完璧な教師もいない。教師は生徒によって育てられていく。ただ心に置いておく事は、教師になりたいと思う強い気持ち、それを忘れない事だ。昔よりは幾分かは緩和した教育現場。だけど、人と人との関わり合いには違いはない。動機は何にしろ、教師になりたいと強い意志がないと務まらない…」
三輪田先生の校長らしい言葉に驚き、それでも、こんな人の下で働けたらと思う。
「三輪田校長、桜木先生がこの学校をやめると時…余命宣告をされていたのはご存知ですよね」
「後で知ったがな…だから教師を辞めたんだったよな」
「はい。その辞める直前に桜木先生と飲みに行ったんですよ。その時に桜木…田崎を託されたんです。きっと立派な教師になるから導いてやって欲しいと。友也くんが生まれてそれどころじゃなかった時期も過ぎた…私は今こそ田崎には教壇に立って欲しいと思ってます。桜木先生の意志を継いでほしい…そう願ってます」
小林先生は穏やかな表情で、それでも芯の通った想いを感じた。
私と別れる覚悟をした後でも、私の事を考えてくれた友紀也。
その想いに報いた。