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ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
「先生!!頑張って!!」
挨拶も出来ずに立ち尽くしている私に、ひとりの生徒が声をかけてきた。
その子の方を向くと、にっこりと笑って小さく手を振ってくれる。
「緊張しないしない!!」
今度は、目の前に座っている小柄な生徒が、私のスーツの裾をツンツンと引っ張って小さな声で声援をくれた。
その生徒たちの優しさに、やっと呼吸ができたような気がした。
「…えっと…桜木陽葵です…堀内先生がいらっしゃる間に…色々と教わりたいと思っています…よろしくお願いします。」
緊張の中、自己紹介をすると生徒たちは拍手をしてくれた。
その拍手にホッとした。
2学期いっぱいは堀内先生の補助で3学期からは正式に教壇に立つことも説明して、私は教室の後ろで見学することになった。
堀内先生の授業を聞いていると学生だった頃を思い出す。
真面目に勉強する授業もあれば、漫画を読んだり、寝たりする授業もあった。
それは授業が面白くないとかじゃなくて、ただ他の事をしてもバレないと思ってたから。
それで試験前に慌てたことは言うまでもない。