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第31章 進むべき道…

教師と言う仕事の忙しさは知っていたつもりだった。
だけど、現場に入ってみると、思っている以上に大変で、三輪田校長の言ったように教師になりという強い意志がないと務まらないと言う意味が良く分かった。
並大抵のことではやり続けられないと現場の過酷さを知り、それでも、それを上回る喜びもあることも知った。
だから教師を生涯の仕事としてやり抜く先生が多いのだろう。
じゃなければ、やってはいけない。
それから慌ただしい毎日が過ぎていく。
補助と言ってもすることは多く、それ以外にも率先して生徒と関わるようにしている。
1年間という短い間に、身に付けられることは身に付けておきたかったから。

「陽葵先生さようなら～」

「はい。気を付けて帰ってね～～」

17時を回り、他の先生たちに申し訳ないと思いながら職員室を出た。
帰り始めた子たちにも声をかけられ挨拶をしていると、本当に先生になったんだと実感する。
この学校に来て半年。
あっという間に時は過ぎていく。
堀内先生が産休に入り、私は一人で教壇に立ち緊張しながらも、その緊張が心地良かったりもする。